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マルチプレックス駆動タイプ

 マルチプレックス駆動の場合は、グリッドスキャンデータをVFD外部からコントロールする必要があるため、 スタティック駆動の場合にくらべると、データ転送スピートも含めたソフトウエアでの工夫が必要となります。 データ転送の手順は、グリッドアノード混成タイプと独立タイプで異なります。

図16 マルチプレックス駆動の表示パターン例

図16 マルチプレックス駆動の表示パターン例

グリッドアノード混成タイプ

 コストダウンのため内蔵するドライバ数を最小にするグリッドアノード混成タイプでは、 グリッドスキャンデータとアノードデータを合成して1系統のシリアルポートから同時にコントロールする必要があるため、 ソフトウエア上の工夫をする必要があります。

シフトレジスタ割り当て

 図16aは、20桁2行の5×7ドットキャラクタ-VFDを96ビットのドライバ1チップで駆動する場合の、 シリアルデータの各ビット(=各ドライバの出力ポート) に割り当てられるグリッドおよびアノード割り当て順を示しています。

 個別の仕様書では、「シリアルデータフォーマット」、または「データ送り順」という項目のなかで、 この割り当てが記載されています。タイプによりその並び順などは異なる場合がありますので、 詳しくは仕様書をご確認ください。 データタイミング(Data No.)はシリアルデータの送り順で、 この例では、先頭の20ビットにグリッドが割り当てられ、 先頭から21ビット目以降にはアノードが振り分けられています。 この例ではドライバは96ビットタイプのものを1チップ搭載しており、 グリッドおよびアノード数に対してドライバのビットがあまる形になります。 あまったビット(ノーコネクション=NCまたはNULL)は「*」で示してあります。 この「*」のビットについてはデータは「H」か「L」のどちらでもかまいませんが、 この例のような場合は、96回クロックデータを送る必要がありますので注意が必要です。※

※注:DNxxxxシリーズでは標準化のため、桁数、セグメント数にかかわらず96ビット、 または192ビットのクロックデータ転送が必要な設計になっています。 カスタムデザインの場合は余分なNCビットについてはクロックデータ転送は必要ないように設計することも可能です。

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図16a グリッドアノード混成タイプのドライバ内部

タイミングチャート(グリッドスキャン)

 マルチプレックス駆動のため、例の場合ではグリッドをG1からG20まで、 1桁づつ 注1)順番に桁送りしていく必要があります。 例のような場合には、T1~T20の20回のタイミングで、 それぞれT1のときにG1、T2のときG2、T3のとき・・・ という手順でグリッドを1桁づつ「スキャン」します。 この時、例えばG1を選択する場合は、その他のグリッド(G2~G20)のデータは必ず 「L」にしておく必要がありますので注意が必要です。 図16bはそのタイミングチャートの例です。

※注1:カスタムデザインのVFDの場合や、ドットマトリクスタイプ(MNシリーズ)の場合などで、 重なりグリッドスキャンをする必要があるタイプの場合は、同時に複数のグリッドを選択して点灯させる場合があります。

図16b グリッドアノード混成タイプのタイミングチャート例

図16b グリッドアノード混成タイプのタイミングチャート例

グリッドアノード独立タイプ

 グリッドアノード独立タイプは、 グリッドスキャンとアノードデータのコントロールを2系統に分けて行えるようにしたものです。 SO(シリアルデータ出力)でアノードデータとグリッドスキャンデータを接続すれば、 グリッドアノード混成タイプのように1系統のシリアルデータでコントロールすることもできます。

シフトレジスタ割り当て

 図17aは、例のような20桁2行の5×7ドットタイプの表示パターンのVFDを、 グリッド用に96ビットのドライバ1チップ、 アノード用にも別の96ビットのドライバ1チップを使って駆動する場合の、 グリッドおよびアノードの割り当て順を示しています。 この例では、96ビットあるグリッドドライバのビットのうち、 20ビットにグリッドを割り当てています。 のこりの76ビットはノーコネクションとなり、データ転送をする必要はありません。 アノードもグリッドと同様、 96ビットのうち76ビットにアノードが割り当てられます。 グリッド同様、あまったビットはNCとなりデータ転送をする必要はありません。

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図17a グリッドアノード独立タイプのドライバ内部

グリッドスキャン

 グリッドアノード独立タイプの場合は、グリッドアノード混成タイプの場合のように、 データのブロック転送ではなく、 図17bのようにGLATをHに固定しておいて、 桁間ブランキングのクロックによるデータシフト方式で簡単にスキャンさせることができます。

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図17b グリッドアノード独立タイプのタイミングチャート例

グリッドスキャンに関するご注意

グリッドスキャンのタイミングについては、次の点にご注意下さい。

・画面のちらつきを防止するため、1画面書き換えのサイクルは120Hz以上※になるようにしていただくことを推奨します。 例えばグリッド数が20の場合、タイミングT1~T20まで1画面分グリッドをスキャンさせる時間 TR は、 約400μsec以下である必要があります。

・桁間輝度差防止のため、一回のTR内ではtpとtBKが一定になるようにしてください。

・グリッドスキャンは連続して行い、電源投入中は決してスキャンが停止することがないようにして下さい。 万一スキャンが停止すると、VFDが永久破壊することがありますので、 できるだけ保護回路を設置いただくことを強く推奨いたします。



※フィラメント電源がAC 50/60Hzの場合。 フィラメント電源周波数が高周波の場合は、TRは60Hz程度まで可能

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