駆動タイプ
「BDシリーズ」は大きくわけてスタティック駆動とマルチプレックス駆動タイプの2種類に分類することができます。 マルチプレックス駆動タイプにおいてはそのドライバ構成によって、 グリッドアノード混成ドライバタイプと、グリッドアノード独立ドライバタイプ の2種類に分類でき、それぞれ異なった駆動が必要となります。

スタティック駆動タイプ
スタティック駆動タイプは、ドライバの各出力を各セグメント全てにひとつひとつ直接接続したもので、 グリッド電圧は内蔵ドライバは通さずに、リードピンから直接供給されます。 このスタティック駆動の場合、次のマルチプレックス駆動タイプに比べると、 総セグメント数が多い場合はドライバチップ数が増えるというディメリットはありますが、 グリッドによるパターン分割がないため、パターンの形状や配置が自由になることや、 12V程度の低い電圧(VDD2)から駆動が可能となり、 また電圧を上げれば容易に高輝度が得られるなど、さまざまなメリットがあり、 特にカスタムデザインの表示パターンの場合や、ローパワー、 高輝度が求められる場合などに有効な手法です。
図3はスタティック駆動タイプのブロック図ですが、例えば96ビットタイプのドライバを2個搭載した場合、 最大で96ビット×2=192セグメントまで駆動可能となります。

図3 スタティック駆動タイプ
マルチプレックス駆動タイプ
マルチプレックス駆動タイプは、 通常のマルチプレックス駆動タイプのVFDの各グリッドを内蔵ドライバの出力に割りあてたものです。 用途や表示パターンの内容によって、1ドライバ内でアノード(セグメント)データと、 グリッドスキャンデータを組み合わせる混成タイプ(図4)と、 グリッド専用ドライバとアノード専用ドライバを別個に内蔵する独立タイプ(図5) の2種類があります。
グリッドアノード混成タイプでは、ドライバチップ数を最小にできるため、 コストダウンが可能で、また特に小さい表示パターンの場合などに適していますが、 グリッドスキャンデータとアノードデータを合成する必要があるため、 ソフトウエアを工夫する必要があります。 グリッドアノード独立タイプでは、 グリッドデータとアノードデータを分けてコントロールができるため、 従来のVFDと同じような駆動が可能で、また比較的大きい表示パターンにも対応が可能です。
いずれの場合でもマルチプレックス駆動タイプの場合、 セグメント数が多い場合でも少ないドライバ数で駆動が可能となり、 外部にドライバを設置する場合に比べて、回路スペースの節約や、 システムのトータルとしてのコストダウンが可能となるなどのメリットがあります。 また、カスタムデザインの表示パターンも対応しています。

図4 グリッドアノード混成ドライバタイプ

図5 グリッドアノード独立ドライバタイプ
ドライバ内蔵型BD-VFD アプリケーションノート
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