蛍光表示管(VFD)全般 アプリケーションノート 駆動方法
グリッド・アノード電圧と輝度


電源回路

 一般にマルチプレックス駆動では、実際に輝度に寄写する電圧は、グリッド電圧(ec)およびアノード電圧(eb)ですが、 ディスプレイ電源(Vdisp)としては、フィラメントバイアス電圧(Ek)を加えた電圧 (Vdisp=ec(eb)+Ek)を供給する必要があります。 フィラメントバイアス電圧はツェナーダイオードなどで容易に発生させる事ができます。 また、リップルはスキャン周波数とのビートでちらつきの原因になることがありますので十分な平滑を行ってください。


電圧設定と輝度との関係

 ドライバの種類により正電源または負電源を使用しますが、 いずれの場合もフィラメントに対してグリッドとアノードにはプラスの電圧を印加し、 電流が流れる形になります。 他の表示素子と異なり蛍光表示管はグリッド、アノードともアクティブハイです。

 電源および駆動ソフトの制約により、 グリッド、アノード電圧やデューティなどを仕様書の標準値(TYP.)にどうしても合せられない場合がありますが、 この場合には、次の方法により駆動条件を最適化することができます。 すなわち、蛍光表示管の輝度(L)はグリッド電圧(ec)、アノード電圧(eb)、 および発光デューティ(Du)により一義的に決まり、その輝度との関係には次式のような関係があります。


L = K × ebc2.5 × Du ・・・・・・(1)

L: 輝度
K: 蛍光表示管により決まる定数
ebc: グリッド・アノード電圧(ec=eb)
Du: 発光デューティ

 (1)式は「輝度はグリッド・アノード電圧の2.5乗に比例し、また発光デューティにも比例する」 という特性を持っていることを示しています。

 従って例えばデューティが仕様書の値と異なってしまうような場合は、 「 ebc2.5 × Du 」の値が同じになるようなebcにすれば、 仕様書で標準とされる駆動条件の場合と同じレベルの輝度が得られます。 再設定のため計算したい値を、それぞれebc(n)、Du(n)とすると、次のような関係式が成り立ちます。


L = K × ebc(TYP)2.5 × Du(TYP)・・・・・・(2)
L = K × ebc(n)2.5 × Du(n)・・・・・・(3)
ebc(TYP)2.5/ebc(n)2.5 = Du(n)/Du(TYP) ・・・・・・(4)

L: 輝度
K: 蛍光表示管により決まる定数
ebc(TYP): 仕様書のグリッド・アノード電圧の標準値
ebc(n): 再設定したいグリッド・アノード電圧
Du(TYP): 仕様書の発光デューティの標準値
Du(n): 再設定したい発光デューティ

 (4)式の関係を用いてebc(n)、Du(n)を計算することができます。 ただしebc(n)については仕様書で規定された最大定格を越えないようにしてください。


輝度調整


図17 輝度コントロール
図17 輝度コントロール

 蛍光表示管は、「明るいこと」が特長ですが、 夜間などの使用においては「輝度を下げたい」という場合があります。 この場合には、図17に示すように発光デューティを小さくして輝度を調整します。 前述の(2)式で示したように発光デューティに比例して輝度は変化します。

 輝度を下げるためにフィラメント電圧やアノード・グリッド電圧を下げると、「発光ムラ」や輝度のばらつきが発生することがあります。 グリッドやアノードのパルス幅の調整によって発光デューティを変え、輝度をコントロールする方法をおすすめします。



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