フィラメント電圧(AC駆動)
フィラメント電圧
フィラメント電圧と輝度との関係を図7に示します。 蛍光表示管の寿命はフィラメントの電子放射物質の蒸発によって大きく左右されるため、 フィラメント電圧は必ず定格値(TYP.)で使用して下さい。 またフィラメントにはアノード、グリッド電流が流れ込むため、 フィラメント電位はグリッド電圧(ec)、アノード電圧(eb)のマイナス側 (オフレベル)からカットオフ電圧分だけ高いところに設定します。
図7 フィラメント電圧(Ef)と輝度(L)の関係
AC駆動(商用電源50/60Hz)
トランスを用いて商用電源(50/60Hz)からフィラメント電圧(Ef)を得る方法で一般によく用いられます。
通常はセンタータップ付きのトランスを用いてフィラメントバイアス回路と接続します。 センタータップを用いると表示管の両端桁の輝度差を小さくすることができます。 センタータップを使用しない場合には、電圧関係は図9のように輝度傾斜が目立ってしまいます。 またフィラメント電圧の振幅が大きくなり、 一般的な仕様書で決められたカットオフ電圧をフィラメントバイアス電圧とするだけでは不十分で、もれ発光が発生してしまうケースもあります。
図8 センタータップ付トランスの場合
図9 センタータップなしトランスの場合
ACパルス駆動(高周波)
セット内の直流電源からDC-ACインバータを使用して両極性のフィラメント電源を得ることができます。 その場合できるだけカソートバイアス用のセンタータップを設けてください。 この時、(1)式により求められる実効値(RMS値)が仕様書に規定された値になるようにします。 但しデューティは1/2に近づけるようにし、 実効値に対するピーク値が1.5倍以下になるような波形としてください。 また周波数は10KHzから200KHzの間をおすすめします。
図10 DC-ACインバータの場合
ACパルス駆動(スイッチング)
図11のような回路でDC電源のプラス側とマイナス側を切り変えることによって、 蛍光表示管にはACが印加されるようにすることも可能です。
パワーMOSFETのアレイを使えば、大きなトランスを使用せずに大電流のACを作れるため、 大型でフィラメント電流の大きな蛍光表示管を駆動する場合に便利です。 スイッチングパルスはちょうど1/2Duty、周波数は60Hz以上になるようにして下さい。
この場合、フィラメント電圧は自動的に供給DC電圧の1/2の値がかかることになり、 これでカットオフ電圧として十分な場合には特にフィラメントバイアス回路を設置する必要はありません。
図11 DC電源をスイッチングする場合
VFD全般 アプリケーションノート
-
蛍光表示管の原理と構造(APF102)
-
蛍光表示管の信頼性と品質保証 (APF103)
-
蛍光表示管の取り扱いに関するお願い (APF104)
-
デザインガイダンス (APF101)
-
蛍光表示管の駆動方法 (APF201)
-
蛍光表示管の発光色とフィルタ (APF301)