フィラメント電圧(DC駆動)
DCダイレクト駆動
DCダイレクト駆動はフィラメントを赤熱させる方法では一番手軽です。 しかし一般的に蛍光表示管のフィラメントに直接DCを印加すると、フィラメントに対するアノード、グリッドの電位関係は図12のようになり、 フィラメント電圧のプラス側(図12の場合F1側)の実効グリッド・アノード電圧が、 「Ef分」だけ低くなります。 この分プラス側がマイナス側(図12の場合F2側)に比べ暗くなります。 またグリッド、アノード電流がマイナス側に一方的に流れ込むため、フィラメントの温度が片寄り、特にグリッド・アノード電流がフィラメント電流に比べて比較的大きいような場合には、寿命の点からはあまり良くない場合もあります。 このため、仕様書でAC駆動と表記された蛍光表示管をDCダイレクト駆動したいというような場合には、 事前に必ずご相談ください。
図12 フィラメント直流駆動の場合
なお、小型の表示管では、フィラメントがDC駆動できる仕様書になっているものもあります。 これらの中には、あらかじめ左右の輝度差を無くすために、フィラメントを傾斜させた構造になっているものもあります。
DCパルス駆動(参考)
図13のように、DCをスイッチングして駆動する方法もあります。 ブランキング間にDCを印加し、表示している間はフィラメント電圧がかからないようにします。
表示している間はフィラメント電圧はかかっていませんが、ブランキング時に暖められた余力でフィラメントから電子が放出され点灯します。 この方式の場合、適切な電圧値が適切なパルス条件で印加された場合、理論的には輝度傾斜が全くない理想的な発光状態が得られ、またフィラメントバイアス電圧を設置する必要がないというメリットがあります。
図13 フィラメント直流パルス駆動の場合
ただし適切な電圧条件でないと蛍光表示管の寿命に悪影響を与える可能性もあります。
フィラメントをDCパルスでご使用される場合は、事前に必ずご相談いただくようお願いいたします。
VFD全般 アプリケーションノート
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蛍光表示管の原理と構造(APF102)
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蛍光表示管の信頼性と品質保証 (APF103)
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蛍光表示管の取り扱いに関するお願い (APF104)
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デザインガイダンス (APF101)
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蛍光表示管の駆動方法 (APF201)
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蛍光表示管の発光色とフィルタ (APF301)